将来の夢は、養護教員でした。
女子がくせー特有の、「集団行動しないと4ぬ病」に疲れた時。私はいつも、そっと教室を抜け出して、保健室へ向かっていました。

もう常連すぎて、先生は私の顔を見るなり、「どうしたの?」すら聞かなくなった。少しだけ呆れたような顔で、「寝てる子いるから、静かにねー」そう言って、すぐにデスクへ戻っていく。

その扱いが、むしろ心地よかった。

大げさに心配されるわけでもなく、理由を問い詰められるわけでもなく、ただ、そこに居ていい場所として置いてくれる。

保健室の白いカーテン。
消毒液の匂い。
少し硬いベッド。
遠くで聞こえるチャイムの音。

教室にいる時より、ずっと息がしやすかった。

将来の夢は、養護教員でした。


学校という場所は、私にとって少し窮屈でした。

良い生徒でいるために先生の顔色を見て、友達の機嫌をうかがって、周りからどう見られるかばかり気にして。

笑いたくない時にも笑って、平気じゃない時にも平気な顔をして、「ちゃんとしてる私」を一生懸命演じていました。

でも、保健室の先生だけは違いました。

私がイライラしていても、落ち込んでいても、やけに元気なふりをしていても、先生はいつも変わらなかった。

怒るわけでも、励ましすぎるわけでもない。

ただ、いつもの声で、いつもの顔で、そこにいてくれました。私が唯一、機嫌をうかがわなくてよかった大人。

それが、保健室の先生でした。

将来の夢は、養護教員です。

先生の姿を見て、私も誰かにとって、あんな存在になりたいと思いました。多感な思春期の、不安定で、尖っていて、でも本当は傷つきやすい心に、そっと寄り添える人。

「大丈夫だよ」なんて簡単に言うんじゃなくて、「ここにいていいよ」って、態度で伝えられる人。
味方はいるよって、ひとりじゃないよって、全身で伝えられる人。

今はまだ、夢の途中です。

思い描いていた場所とは、少し違う道を歩いているかもしれない。

それでも私は、誰かの不安に気づける人でありたいし、誰かが少しだけ息をしやすくなる場所でありたい。

なぎを見つけてくれたあなたにも、そんなふうに思ってもらえたら嬉しいです。

今日は、ちょっと真面目なお話。

でもたまにはいいよね。


そして今もまだ、
その夢の続きを、ちゃんと歩いています。

なぎを🤟